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アニメにおけるフェミニズム的作品批評の限界?「格好良さと戦闘美少女」1?&コメント返信

2009-05-19(Tue)
随分前に書いたけど、HDDの中で眠っていた文章です。なんかもったいないので公開して、ついでに次の記事への伏線にして見ました。あっ、タイトルは適当なんで気にしないでください。

紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)
(2001/09)
斎藤 美奈子

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アニメにおけるフェミニズム分析の本として、斎藤美奈子の『紅一点論』という本があります。
学問的精度はともかく、戦後アニメ史をフェミニズム的に分析し、斎藤美奈子お得意のアイロニーで包み込んだエンターテインメントな一冊です。斎藤美奈子的なアニメ史観に基づくと、オタク(の消費する)アニメは、「たくさんの男性と少しの女性」から「1人(2人)の男性とたくさんの女性」という経緯をたどっている、と(具体的に言及されているのは『ヤマト』→『ガンダム』→『エヴァ』)。

斎藤美奈子は比喩的に男の子向けのアニメを「男の子の国」、女の子向けのアニメを「女の子の国」(いわゆる魔法少女もの)とよび、それぞれへの分析をしています。前者を代表する意匠は「科学、未来、宇宙、正義」といったもので、後者を代表とする意匠は「魔法、地元の街、恋愛」といったもの。で、この『ヤマト』→『ガンダム』→『エヴァ』というのは前者の話ですね。

斎藤美奈子はフェミニストなので、アニメの女性の描き方、そして数の少なさに散々ケチをつけているんですが、その斎藤の論法だと『エヴァ』『ナデシコ』はもう褒めざるをえない。なにせ、『エヴァ』『ナデシコ』は組織のかなり重要な部分をになっているのは女性で、ぶっちゃけ現実よりもはるかに女性の社会進出がアニメの世界で進んでいる。

で、筋金入りのフェミニスト・斎藤美奈子が、超がつくほどのオタクアニメ『ナデシコ』を褒めざるをえないっていう時点で、『紅一点論』の考え方にはかなりガタが来ていると思うんですが、これを現代のオタクアニメへと延長させようってのはも完全に無理になってしまう。今、オタクアニメの主流たる『涼宮ハルヒ』にせよ『なのは』にせよ、斎藤美奈子の分類法で言えば、「女の子の国」に近い意匠を兼ね備えていて、ほとんど斎藤美奈子的な考え方は通用しない。

もちろん、98年に出たことを考えれば、斎藤を批判することは出来ません(そもそもオタクじゃないしね、斎藤美奈子は)。もっとも斎藤が「ロリコン」と切って捨てた「女の子向けアニメを消費する大きなお友達」っていう図式をもっと拡張して分析出来ればこの本の寿命はもっと長くなったのではないか、とは思いますが…(前述のとおり今の萌えアニメは「女の子」アニメにかなり近い)。

で、この本が教えてくれる最大のことは、「作品分析」に基づいたフェミニズム的批判が成り立たなくなったということじゃないでしょうか。
じゃあ、フェミニズム的批判をしようとするとどうすべきか(ってか、フェミニズム的批判することが前提なのかよ!・笑)。それはオタク文化の中でどう消費されているか、っていうところにシフトせざるを得ない。こういった図式が、東浩紀の言う「環境分析」といったところになるのかもしれません。

いや、この本自体はものすごく面白いですけどね。

って、ところでまた次回(次回あるのか!)。

コメント返信

>Eiジさん

コメントありがとうございます。

シークレットコメントも拝読しました。『東のエデン』面白い、とかいいつつ、僕自身東浩紀と神山健治の貴重な対談があったことすら忘れてました(笑)。今度、レビューの元ネタとなった対談をもう一度読んでみたいなぁ、と思います。

>名前を忘れてしまいw ずっと「あの時のゲスト誰だったっけ?」
>という状態だったんですが、Keiさんのおかげでわかりましたw

お役に立てて何よりです。

>今回ご紹介された本も機会があれば読んでみたいと思います。

今のところ、佐藤優が逮捕されるまでを描いた『国家の罠』とソ連崩壊時のことを書いた『自壊する帝国』(当時、佐藤優はモスクワ大使館にいたので)しか読んでませんが、本当に頭きれる人ですし、非常に読みやすいので(結構分量ありますが・笑)、もし良かったら読んでみてください。
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