モラトリアムと成熟――『ハチミツとクローバー』感想
2009-06-29(Mon)
なんか1週間に1回更新がデフォになってきました…。
気づいたらGoogle rankも落ちてたし。
羽海野チカキャラデザの『東のエデン』も終わったところですが、、『ハチクロ』読みました。まあ、激しく今更ですが。完結が2006年みたいですし。ただ、完結してから読んだからわかることも結構あったと思います。
で、感想。
想像以上に良かった!
最初、今一つ人間関係がつかめなかったりするんですが、読んでいくうちに片思いで繋がっている妙な人間関係だとわかってきます。それと同時に『めぞん一刻』の一刻館的なアパート共同体で繋がっている共同体だったりもする(まあ、美人管理人さんはいませんけどね)。
で、そこで続く時間ってのはモラトリアム的な循環構造がある。たとえば、森田先輩が卒業したのに、大学に残ったり、とか、真山が早々に大学を卒業したのにあのボロアパートにいたりとか。それと同じ構造が、恋愛にも指摘できて、全て片思いで循環している。
ネットでハチクロの感想を色々見ていたら、内田樹がこんなこと書いてました。
これは4巻時点の感想なんですが、前半部分のハチクロというものは「循環する時間と固定化された共同体」に支えられていたんだなー、と思います。
まあ、実際ハチクロの前半はラブコメマンガとも読めるわけで、ひょっとしたら作者はこのまま円環的な時間構造のまま終わらせるつもりだったのかもしれない(今のオタク系メディアにはこの手の「終わらない学園生活」を描いた作品はごまんとある)。
でも、だらだらと続くモラトリアム的空間と片思い。でも、それには必ずいつか終わりが訪れることだというのは決定してる。そして、作者はそれをちゃんと描こうとした。
比較に出して申し訳ないんですが、『のだめカンタービレ』だと、国内編から巴里編になったところで、登場人物は一新されるわけですが、結局二人の関係はずっと延長線として続いていく。それに対して、『ハチクロ』は片思いの繋がりと学生アパートの繋がり、という脆い物で出来上がってたりして、その性格ゆえに「終わり」というものが決定付けられていた、と言ってもいい。
それを象徴するのが竹本君の北海道一人旅。まあ、帰ってきた以降の確変っぷりは半端なかったりしますが(笑)。竹本君の視点で物語を見た場合、「成長小説」ともいえる要素も入っていて、「モラトリアムの終わり」と「成熟」という要素が最後数巻に詰め込まれていたりする。
まさに、20代前半と言う時期に不思議なモラトリアムを与えられた若者たちのビルドゥングスロマンとして読めるのではないんでしょうか。
これは余談なんですけど、「卒業」ってテーマで思い出したのは、実は『あずまんが大王』。円環的な時間を基本とする空気系マンガがどう"終わり"を描くかという点で、あずまんがの最終回は素晴らしい。これからも一緒だよ!というテーマはがっちり打ち出して終わる。
それ自体はすばらしくて、終わらせきれなくて、サザエさん時空を続けた挙句、大学編までやろうとしたフォロワーである某萌え4コママンガよりいいと思います(笑)。
でも、やっぱり思うのは「みんな仲良くー」といつまでも行かないよなーということ。実際、『ハチクロ』だと地理的な距離っていうファクターが時々入ってくるんですが、ちよちゃんもアメリカ行っちゃうわけだし、そううまく行かないだろなー、と。となると、あのラストってのは、ある種の寂しさも含んでいたのかなー、とか『ハチクロ』読んでて思ってました。…つーか、本当に余談だwww
でも、実際今のオタク的想像力がどう「終わり」を描くか、というかそもそも"終わりというものを描けるのか?"っていう疑問は僕の中で結構あったりします。戦闘物だったら、ある種の定型があるので描けるんだけど、空気系はどうするんだろう。「終わり」はなかったことにするのか。それもそれでありだとは思いますけどね。
気づいたらGoogle rankも落ちてたし。
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羽海野チカキャラデザの『東のエデン』も終わったところですが、、『ハチクロ』読みました。まあ、激しく今更ですが。完結が2006年みたいですし。ただ、完結してから読んだからわかることも結構あったと思います。
で、感想。
想像以上に良かった!
最初、今一つ人間関係がつかめなかったりするんですが、読んでいくうちに片思いで繋がっている妙な人間関係だとわかってきます。それと同時に『めぞん一刻』の一刻館的なアパート共同体で繋がっている共同体だったりもする(まあ、美人管理人さんはいませんけどね)。
で、そこで続く時間ってのはモラトリアム的な循環構造がある。たとえば、森田先輩が卒業したのに、大学に残ったり、とか、真山が早々に大学を卒業したのにあのボロアパートにいたりとか。それと同じ構造が、恋愛にも指摘できて、全て片思いで循環している。
ネットでハチクロの感想を色々見ていたら、内田樹がこんなこと書いてました。
『ハチミツとクローバー』はまったく恋愛が先に進まないで、男子も女子もひたすらぐちゅぐちゅとべそをかくばかりなのであるが、この「時間が先に進まない」ことへの欲望の切実さはほとんど感動的である。でも、森田くんがアメリカから帰ってきて、ようやく8年生を終えて卒業したら日本画科3年生に編入・・・という展開には、さすがにびっくり。
そうなのか、諸君は時間を先に進みたくないのだね。
この退嬰性が同時代の若者たちの圧倒的共感を得ているという事実に私はふかい興味をいだくのである。
『ハチミツとクローバー』全巻読破中
内田樹の研究室
これは4巻時点の感想なんですが、前半部分のハチクロというものは「循環する時間と固定化された共同体」に支えられていたんだなー、と思います。
まあ、実際ハチクロの前半はラブコメマンガとも読めるわけで、ひょっとしたら作者はこのまま円環的な時間構造のまま終わらせるつもりだったのかもしれない(今のオタク系メディアにはこの手の「終わらない学園生活」を描いた作品はごまんとある)。
でも、だらだらと続くモラトリアム的空間と片思い。でも、それには必ずいつか終わりが訪れることだというのは決定してる。そして、作者はそれをちゃんと描こうとした。
比較に出して申し訳ないんですが、『のだめカンタービレ』だと、国内編から巴里編になったところで、登場人物は一新されるわけですが、結局二人の関係はずっと延長線として続いていく。それに対して、『ハチクロ』は片思いの繋がりと学生アパートの繋がり、という脆い物で出来上がってたりして、その性格ゆえに「終わり」というものが決定付けられていた、と言ってもいい。
それを象徴するのが竹本君の北海道一人旅。まあ、帰ってきた以降の確変っぷりは半端なかったりしますが(笑)。竹本君の視点で物語を見た場合、「成長小説」ともいえる要素も入っていて、「モラトリアムの終わり」と「成熟」という要素が最後数巻に詰め込まれていたりする。
まさに、20代前半と言う時期に不思議なモラトリアムを与えられた若者たちのビルドゥングスロマンとして読めるのではないんでしょうか。
これは余談なんですけど、「卒業」ってテーマで思い出したのは、実は『あずまんが大王』。円環的な時間を基本とする空気系マンガがどう"終わり"を描くかという点で、あずまんがの最終回は素晴らしい。これからも一緒だよ!というテーマはがっちり打ち出して終わる。
それ自体はすばらしくて、終わらせきれなくて、サザエさん時空を続けた挙句、大学編までやろうとしたフォロワーである某萌え4コママンガよりいいと思います(笑)。
でも、やっぱり思うのは「みんな仲良くー」といつまでも行かないよなーということ。実際、『ハチクロ』だと地理的な距離っていうファクターが時々入ってくるんですが、ちよちゃんもアメリカ行っちゃうわけだし、そううまく行かないだろなー、と。となると、あのラストってのは、ある種の寂しさも含んでいたのかなー、とか『ハチクロ』読んでて思ってました。…つーか、本当に余談だwww
でも、実際今のオタク的想像力がどう「終わり」を描くか、というかそもそも"終わりというものを描けるのか?"っていう疑問は僕の中で結構あったりします。戦闘物だったら、ある種の定型があるので描けるんだけど、空気系はどうするんだろう。「終わり」はなかったことにするのか。それもそれでありだとは思いますけどね。
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ハチクロは高校生くらいの時に一巻だけ読んだことがあって、あのテンションの高さについていけんわー、って投げたんですけど(あと羽海野チカがなんか好きじゃない)keiさんの評を読んで、ちゃんと続けて読めば面白いのかもと思いました。読むリストに再入荷しておこう。
あずまんがといえば、前に西尾維新が戯言シリーズが終了した際、「あずまんがは空気系としてずっと続けることも出来たのに終わらせた、それはすごいことだ」(戯言も続けようと思えば続けられたので)ってどこかで書いていましたよ。
東のエデンのキャラデザ羽海野チカだったんですねー知らなかった。
あずまんがといえば、前に西尾維新が戯言シリーズが終了した際、「あずまんがは空気系としてずっと続けることも出来たのに終わらせた、それはすごいことだ」(戯言も続けようと思えば続けられたので)ってどこかで書いていましたよ。
東のエデンのキャラデザ羽海野チカだったんですねー知らなかった。
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